Visual Studio Code(VSCode)は、豊富な拡張機能によって自分好みの開発環境を構築できる、人気のコードエディタです。特にPython開発においては、数多くの拡張機能が提供されており、導入するだけで開発効率を劇的に向上させることができます。
この記事では、Python開発を始めたばかりの初心者から、さらに開発を効率化したい中級者以上の方まで、「これだけは入れておきたい!」と断言できる、おすすめのVSCode拡張機能を5つに厳選してご紹介します。
VSCodeのインストール方法は以下の記事で紹介しています。
1.Python (Microsoft公式)
まず何よりも先にインストールすべきなのが、Microsoft公式のPython拡張機能です。これがなければ始まりません。

この拡張機能は、VSCodeでPythonを扱うための基本的な機能を網羅しています。
- IntelliSense(コード補完)
変数名や関数名を覚えていなくても、候補を表示してくれます。 - リンティング
コード中のエラーや潜在的な問題をリアルタイムで指摘してくれます。 - デバッグ
ブレークポイントを設定し、ステップごとにコードの実行を追跡できます。変数の値を確認しながらバグの原因を探るのに非常に強力です。 - Jupyter Notebookのサポート
VSCode内でJupyter Notebookを直接編集・実行できます。
Python開発を行うなら、必須の拡張機能です。
2.Pylance
PylanceもMicrosoftが提供する拡張機能で、Pythonの言語サーバーです。先のPython拡張機能と一緒にインストールされることが多いですが、もし入っていなければぜひ追加してください。

Pylanceは、特に型ヒントを活用した静的型チェックと、より高速で賢いコード補完機能を提供します。
- 高速なコード補完・解析
大規模なプロジェクトでもストレスなく動作します。 - 詳細な型情報
変数や関数の型情報をホバーするだけで表示してくれるため、コードの可読性が向上します。 - 自動インポート
未インポートのモジュールを自動で検出し、インポート文を追記する候補を表示してくれます。
Pylanceを導入することで、タイピングミスによるエラーを減らし、より堅牢なコードを素早く書けるようになります。
3.Jupyter
データ分析や機械学習の分野でPythonを使うなら、Jupyter拡張機能は欠かせません。

この拡張機能により、VSCodeの使い慣れたエディタ環境で、.ipynb
ファイル(Jupyter Notebook)をシームレスに扱えるようになります。
- インタラクティブな実行
コードセルを一つずつ実行し、その結果をすぐに確認できます。 - 変数エクスプローラー
現在のカーネルで定義されている変数を一覧で確認できます。データフレームの中身をテーブル形式で表示することも可能です。 - デバッグサポート
Notebook内のセルに対してデバッグを行えます。
データの可視化やアルゴリズムの試行錯誤を、VSCode内で完結できるため、非常に効率的です。
4.Black Formatter
Blackは、「議論の余地がない(The Uncompromising Code Formatter)」を謳う、強力なPythonコードフォーマッターです。

コーディングスタイルは開発者によって好みが分かれがちですが、Blackはあえて設定項目をほとんど設けず、誰が使っても同じフォーマットになるように設計されています。
- 自動整形
ファイル保存時に自動でコードを整形するように設定すれば、コーディングスタイルを気にする必要がなくなります。 - 一貫性の担保
チーム開発において、コードのスタイルを統一し、レビューの際の余計な指摘を減らすことができます。 - 可読性の向上
整形されたコードは誰にとっても読みやすくなります。
細かなコーディング規約を覚える手間から解放され、ロジックの実装に集中できます。
5.Ruff
Ruffは、Rust製の非常に高速なPythonリンター(Linter)兼フォーマッターです。

従来のリンター(Flake8など)やフォーマッター(Black)、インポートの並び替えツール(isort)が担っていた役割を、たった一つのツールで、しかも圧倒的な速さで実行できます。
- 超高速な解析
既存のツールの数十倍から百倍以上高速に動作すると言われています。ファイルの保存時やタイピング中に、ほぼ瞬時に問題点を指摘してくれます。 - オールインワン
リンティング、フォーマッティング、インポートソートなど、多くの機能を統合しているため、設定がシンプルになります。 - Black互換
Blackと互換性のあるフォーマット機能も備えているため、Blackからの移行もスムーズです。
Ruffを導入することで、開発のサイクルが非常に快適になります。一度この速さを体験すると、もう元には戻れないでしょう。
まとめ
今回ご紹介した5つの拡張機能は、いずれも現代的なPython開発において、生産性を大きく向上させてくれるものばかりです。
まだ導入していないものがあれば、ぜひこの機会にインストールして、より快適なPython開発環境を手に入れてください。
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